最近、タクシー運転手の仕事を始めた知り合いの女性から聞いた話なんだけど、これが結構ゾッとするんだよね。夜の時間帯はお客さんが少なくて、正直退屈な時も多いんだけど、その日はいつもより少し風が強くて肌寒くて、なんとなく嫌な予感がしてたらしい。 で、そんな時にちょうど手を挙げてるお客さんを見つけたんだって。見た感じ、普通の30代くらいの女性で、黒いコートに帽子を被った、ごく普通の人だった。でもなんか雰囲気が少し暗いというか、ぼんやりしてたらしい。 そのお客様が乗り込んできて、静かに「○○霊園までお願いします」って言ったんだって。聞いた瞬間、ちょっと「えっ?」って戸惑ったけど、まあ仕事だし断ることもできないから、とりあえず「かしこまりました」って出発したんだって。ただ、なんとなくそのお客さん、目を合わせてこないし、一言も喋らないから後ろの席の様子がなんかすごい気になってたらしい。 道中は相変わらず無言で、時々バックミラーをチラッと見てその女性を確認してたんだけど、そのたびにちょっと視界に違和感があったらしいんだよ。なんか、顔が暗くてうまく見えないとか、妙に影が濃いように見えるとか…。しかも途中から急に、車の中がひんやりしてきたんだって。窓とか閉め切ってるのに、どんどん寒くなる感覚。それでも「この時間だから気温が下がってきたのかな」とか、自分に言い聞かせて頑張って走らせ続けたらしい。 しばらくして霊園の入り口に到着して、「着きましたよ」と後ろを振り返ったんだって。そしたら、その女性、さっきまで座ってたはずのシートにいなくて、完全に空っぽだったらしい。「え?降りた?いつの間に?」ってなって、一瞬パニックになったみたい。でもすぐに、もしや運転中に料金払わずに逃げたのかもと思って、ドアロックとかちゃんとしてなかったかなと少し焦りながら車を降りて周りを見回したんだって。 でもね、誰もいないんだ。ほんとに誰も。霊園の門も閉まってるし、近くに逃げ込めるような場所もない。でも、最後に後ろを見た時、ハッキリと黒いコートが膝に広がってて、帽子の端が見えてた。その記憶が鮮明に残ってるのに、跡形もなく消えてるんだ。それで一旦車に戻ってバックミラーを確認したら、今度は鏡そのものに曇りができてて、誰かが指で何か書いた跡みたいなのが見えたんだよね。 そこにはこう書いてあったんだ。「次は、あなたの番。」そ...