「いらんだろ、アジアネーションズリーグとか」 日本代表を応援しているサッカーファンなら、そう感じる人もいるのではないでしょうか。 アジアサッカー連盟(AFC)は、2030年からの導入を目指し、アジア各国の代表チームを複数のカテゴリーに分けて戦わせるネーションズリーグ構想を進めています。報道されている案では、ワールドカップやアジアカップの予選とも連動させる計画です。 一見すると、アジア全体のサッカーを強くするための合理的な仕組みに思えます。しかし、日本代表の立場から考えると、簡単には賛成できない問題があります。 まず、国際試合には限られた時間しかありません。 日本代表が世界の強豪国と対戦するには、相手国との日程調整や開催地、移動、選手の招集など、さまざまな条件を整える必要があります。そこにアジアの公式戦が増えれば、欧州や南米の強豪国と対戦する機会を確保しにくくなる可能性があります。 日本が目指しているのは、アジアで優勝することだけではありません。ワールドカップで世界のトップクラスと互角に戦い、優勝を狙えるチームになることです。 そのためには、アジアで勝つ経験と、世界の強豪に挑戦する経験の両方が必要になります。 アジアで勝つことと、世界で勝つことは違う ここで重要なのが、対戦相手によって得られる経験の違いです。 アジアの国々との試合では、引いて守る相手をどう崩すか、厳しい環境や長距離移動にどう対応するかといった課題を経験できます。一方、ブラジルやドイツなどの強豪国との試合では、プレッシャーの速さ、個人技、攻守の切り替えなど、世界基準の厳しさを体感できます。 どちらも必要ですが、同じものではありません。 また、国際試合にはケガのリスクもあります。移動の負担や過密日程、激しい接触プレーが重なれば、選手のコンディションに影響する可能性があります。これは特定の国に限った問題ではなく、代表戦を増やす制度全体で考えるべき課題です。 日本代表にとって大切なのは、試合数を増やすこと自体ではなく、限られた試合をどれだけ成長につなげられるかということです。 それでもAFCが導入したい理由 もちろん、AFCにも事情があります。 アジアには、国際試合を十分に組めない国や、強化のための資金・環境が限られている国があります。定期的な公式戦があれば、実力の近い国同士が競い合い、昇格を目指して強化に取...