オーストラリアにホームステイした時の話。古いけど味のある家で、ホストファミリーもめちゃくちゃ良い人たちだったんだ。ただ、一つだけ変なのがあって、2階の廊下の端にある扉にはいつも鍵がかかってた。聞いたこともない、重低音のような音がたまに聞こえてくるんだけど、聞いたら「ただの古い家の音だよ」と言われた。まぁ、なんとなく納得してた。
だけど、いつもその扉にはどうしても引きつけられるんだよね。話題にしちゃいけない雰囲気があったから、直接聞くのは避けてたけど、ある晩、どうしても我慢できなくなって、みんなが寝静まった後にこっそりとその扉の鍵を開けてみたんだ。
扉をあけると、階段が下に続いてた。地下室?廊下の端に隠し階段があったんだよね。もうね、心臓バクバク。でも、好奇心が勝って、そっと階段を下りたんだ。
下に着くと、小さな部屋があった。中央には大きな機械が置いてあって、その音が聞こえてきた原因みたい。それ以外には特に変わったものはなくて、ただの古い家の秘密、かなって思ってた。でも、機械の手元にある小さなノートを見つけたんだ。好奇心は止まらないから、ページをめくったんだけど...
そしたらね、"訪問者記録"って書いてあって、そこには今までこの家に来た全てのホームステイ生の名前が記載されてた。ただ、一番最後のページには、怖いことにね「俺の名前」が書いてあったんだよ。さらにその下には、ぞっとするような一文が...
「最後の訪問者として永遠に。」
その次の瞬間、背後から何か冷たいものが触れたような感覚がして、振り返るとそこには...
ん、まぁ、実はそこで目が覚めたんだ。全てが悪夢だった。本当に怖かったよ。でも、その日から不思議と、2階の廊下の端の扉、いつ見ても開かなくなったんだ。
どうやっても、かじかむような冬の朝みたいに、ぴったりと閉ざされてて。聞いたらホストファミリーは「あぁ、その部屋はもう存在しないんだよ」と言うだけ。悪夢の後、実際には何も起こってないはずなのに、なんだか家全体が変わったように感じた。
空気が重くってね。夢だったはずなのに、なぜかその訪問者記録のページ、俺の名前を含むリストが頭から離れない。そして、それ以後、ホームステイ生が変わる度に、新しい名前が俺の夢に現れるようになったんだ…最後の訪問者として。
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