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父親の大事にしてる本の隠し場所を発見した娘

ある家族がいてね、お父さんはある本をめちゃくちゃ大事にしてたの。なんでも、その本は代々受け継がれてきたらしい。でもお父さんはその本を絶対に誰にも見せないし、触らせないんだって。娘のアキはずっとその本が気になってしょうがなかったわけ。

でね、ある晴れた休日、お父さんが出かける用事があって家を空けたんだ。アキはこれはチャンスだと思ってね、お父さんの書斎を探し始めたのよ。

クローゼット、机の引き出し、あらゆる棚…ぜんぶ調べたんだけど、その本は見つからない。でもね、最後にふとしたことから、ふすまの一部が少し浮いてるのに気づいたの。アキはそっと押してみると、ふすまの裏に小さい隠しスペースがあるのが見えたんだ。

息をのんでそっと手を伸ばすと、細長い木箱があったんだ。本だ、本がきっと入ってるんだって。ドキドキしながら蓋を開けたら、そこには古ぼけた革表紙の本があってね、アキは思わずそれを手に取ったわけ。

でもその瞬間、家中の風景がゆがんでいくような気がしてね、アキはその場にくぎづけになった。本を開くこともできずに、ただぼうっとしてたんだ。

そしたら急に、背後でお父さんの声がするんだ。「アキ、何をしている?」って。

アキはびっくりして振り返ったら、そこにはお父さんが立っていてね、顔がどんどんおかしく変わっていく。目が大きく口が裂けて、もうお父さんじゃない何かがそこにいたんだ。

恐怖で叫ぼうとしたけど、声が出なくてね。お父さんの姿がした何かは、じわじわとアキの方に近づいてきたんだ。

アキは目を閉じて叫んだわけ。「本当のお父さんを返して!!」

でもね、その声が冷ややかな笑い声になって反響していくのが耳に入るだけで…次の瞬間、アキは気を失ったんだ…

目が覚めたら、書斎は何事もなかったみたいに平穏そのもの。でもね、アキの心の中には、あの本とお父さんの変わった顔の恐ろしい記憶があって。どうやら悪い夢を見たみたいだけど、アキの心臓はまだバクバクしてる。それで気づいたんだ、自分の手にまだその本を握っていることに。

本は閉じられてて、中を見る勇気はもうアキにはない。そっと本を木箱に戻して、ふすまを元通りにしたんだ。

その晩、お父さんが家に戻ってきた時、いつもと変わらない優しい顔だった。でもアキはあの本に触れたことを告げることはできなかった。

数日後、アキは夜中に目を覚ましたんだけど、なんとなく書斎の方が気になってね。そっと書斎のドアを開けると、お父さんが革表紙の本を読んでいるのが見えた。お父さんはアキに気が付くと微笑んだけど、その微笑みは前とは全然違ってたんだ。目の奥に冷たさがあって、アキは息をのんだ。お父さんは「アキ、もう大丈夫だよ。本当のことを教えてあげる。」って静かに言った。

そこでね、お父さんは話し始めたの。この本には家族が代々守ってきた秘密が書かれていて、本を開いた者には不可解な力が与えられるって。アキはゾッとしたよ。だってそれは、まさにアキが見た夢みたいな話だったから。

最後にお父さんがアキにだけ明かしたんだ。「お前が本に触れたことで、その力がお前にも宿ったんだ。もう後戻りはできない」って。アキは涙が出そうになるのを我慢した。自分の中に何か変わったものを感じてたんだ。




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