うちの実家には、誰も使わない古い物置があってさ、子どものころからちょっと不気味だなって思ってたんだよ。外も中も埃っぽいし、妙な匂いがするし、なんかこう…空気が重い感じ。だけどこの前、実家に帰ったとき、なんとなく「子どものとき怖がってたあの物置、今なら平気かも」って思って、中を見に行ったんだ。まぁ、ほぼ好奇心だよね。懐中電灯を持って、ギギギって音を立てて古い扉を開けてみたんだ。
最初は特に何も変わらなくてさ、古い家具とか段ボールだらけで、ただのガラクタ置き場だなって思ったんだよ。でも奥のほうに進んでいくと、やたらと目立つ大きな箱が置いてあったの。なんか、古ぼけた木箱で南京錠がかかってるやつ。昔、こんなのあったかな…?って思ったけど、まぁどうせ何かのガラクタだろうと思って、その南京錠を工具で壊して開けてみたんだ。
そしたら中から、人形が出てきたんだよ。もう、かなり古そうなやつ。髪の毛は乱れてて、顔のペイントはところどころ剥げてて、どう見ても「これ子どもが遊ぶためのものじゃないでしょ」って感じの、不気味なやつ。でもなぜか目だけは妙に輝いてるように見えてさ、ちょっとゾワッとした。なんでこんなのしまわれてるのか分からないけど、あまりに気味悪いから元に戻そうと思った。
そのときだよ。急に物置のドアが「バタン!」って閉まったんだ。風か何かだろうって思ったけど、振り向こうとしたら急に背中から冷たいものがスゥーッと通る感覚がして…え?って思った瞬間、後ろから「コツ、コツ」って木を叩くような音がするの。心臓バクバクで振り返ったら、そこで見たのが…さっき箱に戻したはずのあの人形。
しかも、さっきより近くなってる。いや、ちょっと待って、誰かのいたずらだろう?って頭では思うんだけど、誰もいないはずの場所でその人形だけが…少しずつ、確実に動いてる。気のせいだ、気のせいだ…って自分に言い聞かせてたら、その人形、急にぐるっと首をこっちに向けて…笑ったんだよ。歯なんかないのに、ギリギリ音をさせながら「アハハハハ」って、明らかに作りものじゃない声で。もうその瞬間、悲鳴も出せないくらいパニックになってさ、物置の外に全速力で逃げたよ。
そのまま実家の親に話しても信じてもらえなくて、仕方なく自分だけアパートに戻ったんだけど結局、その人形のことは気味悪すぎて忘れたいって思ってたんだけどさ、アパートに戻って数日後、妙なことが起き始めたんだ。夜中、目が覚めると枕元で何かが動いてるような音がするの。「カサ…カサ…」って。最初は風の音かなとか思って気にしないようにしてたんだけど、ある夜、はっきり聞こえたんだよ。
「コツ、コツ、コツ」って、あの時の物置で聞いたのと同じ音が。しかも、音の元を探そうと明かりをつけた瞬間、部屋の隅に…あの人形が立ってたんだ。いや、立ってるっていうか、本当はそこにあるはずないのに、明らかにこっちを見てニヤニヤ笑ってるんだよ。その場から動けなくなって、ただ見てるしかできなかったんだけど、その人形、頭を何度も傾けながら、またギリギリ声で言ったの。「一緒に遊ぼうよ…」って。
ホラー映画は、観客の恐怖心を探求し、さまざまな形で人間の暗い側面を描き出します。
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