【消えた乗客】
これは、1981年にアメリカ・カリフォルニア州で起きた不可解な事件である。
ある夏の夜、ロサンゼルス発サンフランシスコ行きの長距離バスが州間高速道路を走っていた。乗客は20名ほど。バスは深夜1時ごろ、休憩のために田舎のガソリンスタンドに立ち寄った。
運転手が乗客たちに「10分間の休憩だ」と伝えると、何人かがトイレへ向かい、何人かは自動販売機で飲み物を買っていた。
しかし、休憩が終わりバスに戻ると、ある異変に気づく。
「1人足りない…?」
運転手は乗客リストを確認し、全員が戻ったことを確認していたはずだった。しかし、1人の若い女性、リサ・ウィリアムズがいなくなっていたのだ。
「おかしいな、彼女が降りるのを見ていない」と他の乗客も口をそろえる。リサは休憩の直前まで座席で寝ていた。誰も彼女がバスを降りるのを見た者はいなかった。
それでも運転手は「もしかすると、どこかで迷っているのかもしれない」と考え、ガソリンスタンド周辺を探した。しかし、リサの姿はどこにもなかった。
警察が呼ばれ、深夜の捜索が始まる。
しかし、不可解なことに——
ガソリンスタンドの監視カメラには、リサがバスに乗っている姿しか映っていなかった。彼女が降りる映像はどこにもなかったのだ。
「彼女はどこに消えたのか?」
警察は乗客一人ひとりに事情聴取をしたが、誰も手がかりを持っていなかった。リサの荷物はそのままバスの座席に残されており、財布や身分証も手つかずだった。
まるで「彼女だけが存在しなかった」かのように——。
その後、リサの行方は二度と判明することはなかった。警察は事件性を疑ったが、証拠がないため正式な捜査は打ち切られた。
奇妙なことに、この事件が起こった同じバス路線では、過去50年間で似たような失踪事件が3件起きていたという。
「バスが通るあの区間には、何かがあるのではないか——?」
そう囁く者もいたが、真相はいまだ闇の中である。
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