友達のカヨがエジプト旅行に行った時の話をしてあげるよ。カヨって本当歴史とか遺跡とか大好きなんだけど、旅行中にどうしてもラムセス2世の墓を見たくて、ツアーガイドに頼んで特別に案内してもらったらしいんだ。
墓の中は思った以上に狭くて暗かったけど、壁に刻まれたヒエログリフや絵がすごい迫力で、一目見ただけで「あ、これはやばいやつだな」って感じるほどだったって。で、その中でも一か所だけすごく目を引く壁があって、そこには王の呪いについて書かれているってガイドが説明してくれたらしいの。
要するに、「この墓を汚した者には災いが降りかかる」みたいな内容だったんだけど、カヨは「まあよくある話じゃん」って思ってあんまり気にしてなかったんだって。ただ、壁の下の方に何か奇妙な模様が彫られてるのに気づいて、ガイドの説明をよそに勝手にしゃがみこんでじっくり見始めたんだよ。
それは、まるで目玉がびっしり並んでいるような模様で、よく見れば見るほど何とも言えない不気味な気持ちになってきたらしいの。でも気になりすぎて、思わずポケットからカメラを取り出してその模様を撮ったんだって。
その日の夜、ホテルに戻って撮った写真を見返してたら、あの模様の写真だけがおかしい。普通の模様に見えたはずが、写真では動いて見えるんだって。しかもその目玉の模様が、じーっとこちらを見つめてるみたいに見えるってカヨが言うんだよ。最初は疲れてるのかな?って思ったけど、何度見ても同じで、だんだん気持ち悪くなってカメラを閉じたんだ。
それで終わればよかったんだけどね。翌朝起きたら、部屋中に同じ目玉の模様が現れてたらしいんだよ。壁にも天井にも、ベッドのシーツにさえも、びっしりと。慌ててフロントに連絡したけど、部屋に駆けつけたスタッフには何も見えないみたいで、カヨのことを若干変な目で見てきたって話してた。
その後なんとか部屋を変えてもらったんだけど、帰国してからも時々、家の壁にあの模様が浮かび上がるんだって…。でね、一番怖いのはさ、最近になって、どうも実際の自分の腕や足にもあの目玉の模様みたいなものが浮かんでる気がするって言い出してて…。大丈夫かな、カヨ。あんまり本気にしてなかったけど、やっぱりラムセス2世の呪いって、本当にあるのかもね。
コメント
コメントを投稿