俺が中学生の時の話なんだけど、夜中に急に目が覚めたんだよ。なんでだろうって思いながら布団にくるまってたら、薄っすらリビングの方からテレビの音が聞こえてくるわけ。「あれ?誰か起きてんの?」って気になってさ、眠い目を擦りながら見に行ったわけ。そしたら案の定、お母さんがソファに座ってテレビ見てんの。しかもよりによってフジテレビの深夜番組見てるの。なんか芸人が大声で笑ったりしてるし、こんな時間にようやるわって思ったんだけどさ。でもまぁ、「明日仕事あるのに夜更かしして大丈夫?」とか声かける気満々で近づいたんだ。
んで、リビングの手前まで来た時だよ。その瞬間、なんか変だなって思ったの。お母さんの座ってる姿勢が、いつもと微妙に違うんだよね。なんつーか、めちゃくちゃ背筋ピンッて伸びてるし、首だけが妙に不自然な角度でテレビに向いてんの。「どうしたの?」って声かけても何も言わない。なんだろう…寝てんのかな?って思って、近寄ろうとしたんだけど、あの時の嫌な予感ってやつが強烈で足がすっごい重かったんだよ。おかしいな…なんかお母さんじゃない気がして。
それでも「まぁ、大丈夫だろ」とか自分に言い聞かせて、勇気振り絞ってソファの横に立ったんだ。んで、お母さんの顔見たらさ…目が、まっすぐ見開いたまんまで、笑ってんだよ。しかもさ、その笑ってる顔、見覚えないんだ。いや、だってそれ、絶対お母さんの顔じゃないもん。口元とか目元とか全部、お母さんと似てんだけど…違うんだよ。もうその時点で限界だったのに、次の瞬間、その「お母さん」がスローみたいな動きで首だけガクッとこっちに向いてさ。
「テレビ、面白いねぇ…」ってドス低い声でしゃべってきたんだよ。俺、頭の中真っ白で、そのまま全速力で部屋戻って布団被って震えたんだ。朝になってからリビング行ったら、本物のお母さんが普通に朝ごはん作ってんの。「昨日夜中起きてた?」って聞いたけど、「そんなわけないじゃん、私9時には寝たよ」って普通に返されてさ。あれ、誰だったんだよ…それ以来、夜中に目が覚めても絶対リビングには行かないことにしてる。
ホラー映画は、観客の恐怖心を探求し、さまざまな形で人間の暗い側面を描き出します。
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