深夜、めっちゃ静かな時間帯ってあるじゃん?その日も、もう家族みんな寝静まってたんだよね。俺もベッドでゴロゴロしてそろそろ寝よっかなーって思ってたの。でもさ、どこからか「カコーン、カコーン」って音が聞こえてきたのよ。卓球の音っぽかったんだよね。「こんな時間に?」って思ったけど、まぁ、誰かがなんか物でも転がしてんのかなって最初は軽く流してたんだ。けどさ、その音、ずーっと同じリズムで続いてるの。ちょっと不自然に規則的でさ、だんだん気になって仕方なくなってきた。
で、怖いけど確認しなきゃ寝れねぇ!って思って、リビングに降りて行ったのよ。そしたらだよ。台所の奥のスペースに、うちのお母さんがいたんだよね。でも、なんかおかしいの。電気もつけずにさ、暗闇の中で一人、卓球のスイングしてんの。で、「カコーン」って音、よーく聞いたら壁に何かぶつかる音だったの。でさ、俺、「何してんの?」って声かけたんだけど、お母さん、俺全然無視して、ひたすらスイングしてんの。
だんだんぞわぞわしてきてさ、もう一回「お母さん?」って呼んだの。でもその瞬間、スイングをピタッとやめて、ゆーっくりこっち向いたんだよ。顔が、真っ暗だからよく見えなかったんだけど、なんか目だけギョロっと光って見えた気がしてさ、もう怖くて声も出なくなった。そしたら、お母さんがボソボソっと言うんだよ、「静かにして。返してもらいに来てるだけだから」って。返す?何を?って頭がぐるぐるしてる間に、俺、耐えられなくなって自分の部屋に引き返したんだ。
翌朝、お母さん普通に朝ごはん用意してて、いつも通りだったんだよね。でも怖くて昨日のこと聞けなくてさ。そしたら、ふと卓球ボールが台所の角に転がってるのを見つけたんだけど、そのボール、手に取った途端、真っ二つに割れて、中から黒い何かがドロッと出てきたんだ。あの瞬間、俺、もう記憶ないんだけど、多分叫びながら家飛び出したと思う。今でも、深夜にあの「カコーン」って音が夢に出てくるんだよね。
ホラー映画は、恐怖や不安をテーマにした映画のジャンル
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