私ね、ちょっと思い立って、ウルトラマンのコスプレしてパートの面接に行ってきたの。ええ、まさかって思うでしょう?でもね、普段の戦いの装備だとあまりにも固すぎるし、それに、あのシルバーのスーツ、意外と気に入ってるのよ。ちょっとくらい、遊び心を入れてもいいじゃない? 面接会場に向かう途中、道行く人が二度見するの。そりゃそうよね、母がシルバーと赤のピタッとしたスーツに身を包んでるんだもの。子供たちが「ウルトラマンだ!」って喜んで指を指してくれるのは、嬉しかったわ。少し照れくさいけど、悪くない気分。 さあ、会場のビルに入って、いざエレベーターに乗ったら…その時点で「ああ、これやっぱりやりすぎたかしら?」って不安がふとよぎったの。でもね、ここで引き返すわけにもいかないわ。もう着替える場所もないし、こうなったら腹をくくって、堂々と面接を受けてやろうって決めたの。 --- 面接室に入ると、面接官が三人座ってたんだけど、最初の表情が忘れられないわ。微妙な笑顔を浮かべながら、こっちを見てるのよ。おかしいわよね、普通なら「こんにちは」って言うはずなのに、彼らが言葉を失ってるの。私、意外とああいう沈黙には強いのよ?だから、平然と座ってにっこりと「よろしくお願いします」って言ってやったの。 「ええと…あ、よろしくお願いします」やっと反応してくれたのは一人の若い男性面接官。「その…ウルトラマンのコスプレですか?」って聞かれて、私は真顔で頷いたわ。「ええ、これが私の自信の証なんです。私、この姿でたくさんの危機を乗り越えてきましたから!」 面接官たちがクスクス笑いながらも興味津々で質問してくれるのよ。「なぜ、この姿で面接に?」って。だから私は答えたの。「実は、家庭と戦いのバランスを取りながらも、自分の力を役立てたいって思ったの。家族のためにも、もっと強くありたいし、それに、お仕事って戦いと同じよね。常に全力を尽くす覚悟が必要だもの」 その言葉に、意外と真剣な表情になった面接官もいたわ。「なるほど…母としての強さを見せるために?」なんて言ってくれるから、「ええ、まさにそうです。母として、そしてウルトラとして」なんて言ったら、もう一人の年配の面接官が、少し微笑みながら頷いてたわ。 --- それでね、無事に面接は終わったんだけど、「3日以内に電話かメールで連絡します」って言われたのよ。なんていうのかしら